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International law is a common language of international community,
because it is the only law that the world can share as the same thing.

 

国際法とは、国際社会の共通言語である。
なぜなら、国際法は世界が同じものとして共有できる唯一の法だからである。
国際法模擬裁判とは?
 皆さんが思い浮かべる模擬裁判は、次のようなものでしょう。台本が用意されていて、それに従って演劇のような形で進行する。原告被告の勝敗は事前に決まっており、また裁判官・原告・被告のすべての役を同じ大学のサークル内の学生で行う。いわば「劇場型」の模擬裁判です。
 しかし、私たちが主催している国際法模擬裁判は、すこし趣が違います。全国の大学が集い、実際のICJにおける法廷を想定して、国際法を用いた弁論術で勝負する場、これが国際法模擬裁判大会です。いってみれば、「実践型」の模擬裁判です。

写真:実際のICJでの弁論

 

2009年11月、コソボの独立に関する事件の口頭審理における

Geroge Washingtong 大学のSean Murpny教授

taken by Frank Van Beek

 大会の約3カ月前に問題文が発表され、参加校は書面の準備を開始します。各大学のチーム内で議論を交わし、その大学が最もよいと考える「論」を書面に書き起こし、それをもとに弁論練習をします。そして大会当日、事前の話し合いは一切なく、各大学が原告と被告にわかれ、その場でお互いの「論」をぶつける。国際法学者・外交官などの方々に裁判官役をお任せし、どちらがより説得的な「論」を展開したかどうかを判断してもらい、勝敗をつける。このような形で、国際法模擬裁判は行われます。
 国際法模擬裁判大会は、このような中で各大学が切磋琢磨し、国際法の知識を深め、自身の言葉を磨いていく場であると言えるでしょう。
 それと同時に、国際法模擬裁判は世界と語り合う場でもあります。国際法は世界共通です。他の法律は各国によって大きく異なりますが、国際法は世界のどこにいっても変わることはないのです。そうであるからこそ、毎年ワシントンDCで行われる世界最大の国際法模擬裁判大会であるPhillip C. Jessup Internatioanl Law Moot Courtや2013年度は日本で開催されたManfred Lachs International Law Moot Courtなどが開催され、異なる国から集まる大学生・大学院生が、異なる背景・価値観・母国語を持っていても、議論を交わすことができるのです。そのため、国際法は世界と語り合う道具であると言えます。他方、それゆえの難しさもあります。日本という国とその国民だけに妥当するルールではなく、価値観も環境も経済状況も著しく異なる、世界200カ国の70億人に妥当するルールを語らないといけません。しかし、その難しさこそが、国際法模擬裁判のプレイヤーたちの心をつかんで離さない要因の一つなのだと思います。
 世界と語り合う道具である国際法は、「国際社会の共通言語」と言っても過言ではありません。そして、「国際社会の共通言語」を使う場である国際法模擬裁判は、世界と日本をつなぐ架け橋となるのです。したがって、国際法模擬裁判を通じてこそ、ILSECの目的である「学生間の相互理解を深め、国際社会の平和と調和ある発展に貢献すること」が達成されると考えます。
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